今回は前回のカスタムで成し遂げられなかった部分をメインに行いました。 大まかな内容は、マニーホールド、シリンダーヘッド、ローラーロッカーとそれに伴うROMセッテイングです。 |
パーツ選択にマニーホールドとロッカーはおよその目星が付いていましたが、シリンダーヘッドだけ非常に悩みました。 今回の目標は前回同様に通常使用が前提に、なおかつ中低速域を如何に落とさずに高回転域のパワーアップを図れるかです。それには今の圧縮(10:1)にを出来るだけ落とさずバルブサイズもむやみに拡大しないよう考えていましたので尚のことでした。 外品のヘッドは星の数ほどあれど自分の考え思うようなモノはなかなか有りません。そしてメカさんとも色々模索し選んだのが GM Performance の "Fast Burn" です。 このヘッドをなぜ選んだ理由は、まずチャンバーサイズ・62cc、バルブサイズ・IN:2.00" / EX:1.55" (Vette Heads/58cc/IN:1.94" EX:1.50")でいま付いているのより大きく他のメーカーより小さいところ、インテークランナーサイズが210ccと大きく高回転に充分のガスを確保できるところ、ヘッドの名前が示すように「ファーストバーン=燃焼速度が速い」と今までとは違う考えでヘッドが作られたところに面白さを感じ決定しました。 マニーホールドについては直に決まりましたが、ポート径が大きくなるために中低速域がどれだけ落ちるのか少々心配な部分もありました。 |
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GM Performance "Fast Burn" |
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ACCEL Manifold |
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CRANE CAMS Roller Rocker |
取り付け、セッテイングは、全てメカさんに一任しました。 しかしこのヘッドを選んだばっかりに思わぬ問題が起こったのです。それはヘッドとマニの接合部、ヘッドのポートサイズが余りにも大きい為にマニを合わせるとその隙間からヘッドのポートが顔を覗かせるのです。さすがそのままでは使えず思案した結果がマニ側をアルゴンで肉盛してポート修正し対処となった訳です。 もう一件いかにもアメリカ製パーツという出来事が、なんとローラーロッカーのプッシュロッド側の受けメタルが初めから入ってなく組む段階に気づき焦ったことです。 それからは何事もなく進み無事に組み上がりました。そしてこのエンジン性能を引き出す為のECMはサブコンの代名詞でもある HKS F-CON S でエンジンコントロールをおこない完成となったのです。 |
クルマが完成し担当メカさんに仕上の状態を聞くと「パワーは出ているが何か普通、スムーズでチューニング車ぽくなくなった。」などなど同じ様なコメントが・・・、これを初めて聞いた時に「一体どんな仕上がりなんだ?!?!」と、言っている事は分からないでもないが今一つ自分の中でのみ込めない状態でした。 さて、まずは試乗をかね市街地でのドライブ。以前より確かにトルクが太りスムーズに普通に乗れてしまい、はじめて乗る人にも何ひとつ違和感無くドライブできるようなモノです。続いて帰路の高速道路ですが、今までの「普通」から「凄い」に一変させられました。アクセルを踏み込めば何処までも伸びるようなパワーに広域で感じる図太いトルクに唖然としました。 特に高速道路のなだらかな坂道では太いトルクのお陰でキックダウンさせることなくアクセルをちょいっと踏み足すだけで軽々と走って行きます。もちろんキックダウンさせ引っ張れば未知の領域へ達するのは言うまでもありません。 もちろんデメリットもあります。58mmスロットルの為かゼロスタート時に少々アクセルにシビアな所。各々パーツの愛称で一部重く感じる回転があります。けして走らないわけではありませんがそれをカバー出来るだけのトルクがあるので思ったほど気にはなりません。 最後に色んな所で乗り廻しようやくメカさんの言葉の意味が理解できたような気がしました。「凄いんだけれど恰もノーマル車のように感じさせてしまう=何か普通」それが今のタホなんです。またココまで仕上げる技術にノウハウ、ROMセッテイングのレベルの高さに感動しました。 |
タホの出力をグラフにして見ました。 グラフ上の谷間は変速による物です。(yagi さん提供) 出 力 : 361.7ps / 4630rpm トルク : 67.7kgm / 2800rpm 『 詳細な出力グラフはこちらへ 』 |
メカさんに後日「何故、前回より中域から高域にかけ70hp近くアップしたのか?」と疑問に思い聞いてみました。 返答は、パーツの選択、ハード/ソフト面のセットアップが良かった。そして大きいポイントが2つ、以前から付けていたカムのポテンシャルに"Fast Burn"ヘッドのポテンシャルが非常に高かったことでした。 通常パワーアップさせるにはヘッドを高圧縮、ビックバルブ、ビックポートで沢山の混合気を入れてやるのですがこのヘッドは当てはまらなかったのです。ふつう圧縮が下がった事で中低域はアップしますが高回転域は落ちます。しかし高回転域もアップしていると言うのは良いポート形状に燃焼速度が速いため結果的にアップしと考えられます。まさにGM Performanceが唱える"Fast Burn"の理論と言うヤツではないしょうか、とのことです。 |
タホを仕上げるのに協力してくれた方々、ありがとう。 うえきさん、yagiさん、RHさん、歌って踊れるN氏、モノチリンドロさん。(順不同) |